はじめに

日本語BibleStudyの新規のシリーズです! 私の通うCAチャーチでは、ヨハネ第一の手紙を8週間の説教シリーズを持ちました。そこから学んだことや教会が発行した資料などをご紹介していきます。

テーマ

ヨハネ第一の手紙のテーマの聖句は5:13です。

「私が神の御子の名を信じているあなたがたに対してこれらのことを書いたのは、あなたがたが永遠のいのちを持っていることを、あなたがたによくわからせるためです。」

なぜ今の私たちにヨハネ第一の手紙が重要か

ユージーン・ピーターソンによるThe Messageには、第一・第二・第三ヨハネはこう紹介されています。(当ウエブサイトで以前掲載しました)。私の抄訳です。

「生きる上できちっと理解するのが一番大変なのが、愛と神の二つでしょう。幾度となく、人生での失敗はこの二つの点について、そのいずれか、または両方を理解できていなかったり、愚鈍になっていたり、恨んでみたりすることが原因であるようです。

クリスチャンが基本的に、そして聖書に基づいて信じていることは、神と愛は切っても切り離せないものであるということです。神と正しく向き合いたいと思うなら、正しく愛することを覚えなければなりません。正しく愛したいと思うなら、神と正しく向き合わねばなりません。神と愛は切り離せません。

ヨハネによる三通の書簡にはこの点について、素晴らしい方法で、どうしたら良いかがはっきりと示されています。救い主イエスこそが焦点なのです。イエスが神について完全で真なる理解を与えてくださいます。イエスが愛をどう実践するか示してくれるのです。イエスにあって、神と愛が正確に、細かく、そして分け隔てなく結び合わされるのです。

しかし、イエスの示す神や愛に捉われたくない、という者達がいつでもいるのです。自分勝手な神のイメージや自分なりの愛の方法を持ちたがります。ヨハネは当時の教会の牧師でしたが、そういう者達によって妨害を受けていました。彼の書簡を通して、神と愛がそうあるべき、自然な形に元通りにされているが読み取れます。焦点はイエスに、そしてイエスにあって私たちに与えられる神と愛の形にです。」 

The Message, Introduction to 1/2/3 John, Eugene Peterson

当時と今日の共通する問題

グノーシス主義

ヨハネが書き送った相手の教会では信者の間に誤った考えが広まっていたと考えられています。それは霊を善とし、肉や物質を悪と見なす二元論でグノーシス主義と呼ばれるものです。グノーシス主義は色々な枝分かれがありますが大きく言うと霊(たましいや心)が肉体にまさっているという考えです。肉体は悪ですから、その論を推し進めていけば、イエスは肉の体、つまり汚れを持つはずがないので、体を持って生まれたことが否定されることになります。すると体のよみがえりも無いことになるのです。これはキリスト教の根底から外れてしまいます。

また、体が悪でありそもそも汚れていても霊さえ良ければいいのです。体はどう使っても、何をしても影響がない、と言う考えにつながり、ひいては自由放縦な生き方もなんら問題が無いということになり、聖書の教えに反するのです。

グノーシスはキリスト教の初期だけのことだったのではなく、現代の文化に見受けられます。心・たましいと体は別々のもので、心・たましいは高次元のものであり、体は低次元のものですから、心さえ許さなければ体を使って何をしても良い、という考えがあります。すると例えば、体はいらないので、頭脳や心を永遠に保存出来る方法を究明することに力を注いだり、肉体は心にシンクロナイズさせるべきなので、ジェンダーに対する考え方に影響してきたりします。

よく分かること

現代の文化はグノーシス的な考え、あるいは他の聖書から脱線した教えや考え方に満ちているとすれば、どうやってキリストの信仰を守っていくのでしょうか。しっかりと信仰に根ざした生き方をするにはどうしたら良いでしょうか?ヨハネ5:13では「よくわからせるためです」とヨハネは記しています。「あなたがたが永遠のいのちを持っていること」を忘れないで、理解出来るように書いているのです。

ユージーン・ピーターソンは「救い主イエスこそが焦点なのです。イエスが神について完全で真なる理解を与えてくださいます。イエスが愛をどう実践するか示してくれるのです。イエスにあって、神と愛が正確に、細かく、そして分け隔てなく結び合わされるのです。」と教えています。