教会暦に「ペンテコステ」というのがあります。キリストの復活を祝うイースターの日曜日から数えて50日目の日曜(7週目)がこのペンテコステです。今年(2017年)は6月4日がこれにあたります。

元来、過ぎ越しの祭り、というユダヤ教のお祭りの初日から数えて50日目に始まるお祭りだったのですが、このペンテコステ(五旬節)の祭りの日曜日にある大きな出来事があり、それによって、キリスト教の暦のひとつになりました。聖霊が下ったというのです。

聖書にこう書かれています。

“さて、イエスの死と復活から、七週間が過ぎました。五旬節(ユダヤ教の祭りの一つ)の日のことです。信者たちが一堂に集まっていると、 突然、天からものすごい音がしました。まるで、激しい風が吹きつけるような音です。それが、家全体にごうごうと響き渡ったのです。 そして、めらめら燃える炎の舌のようなものが現れ、みなの頭上にとどまりました。

するとどうでしょう。その場にいた人たちは、みな聖霊に満たされ、知りもしない外国語で話し始めたではありませんか。聖霊が、それだけの力を与えてくださったのです。

その日エルサレムには、たくさんの敬虔なユダヤ人が、祭りのために、世界のあちこちから集まっていました。 この大音響に、人々はいったい何事かと駆けつけましたが、弟子たちの話していることばを聞いて、すっかり面食らってしまいました。まぎれもなく自分たちの国のことばだったからです。 人々には、さっぱり訳がわかりません。ただ口々に、こう言い合うばかりでした。

「こんなことってあるだろうか。みんなガリラヤ出身の人だというのに、 私たちの国のことばですらすら話している。 ここには、パルテヤ人、メジヤ人、エラム人、またメソポタミヤ、ユダヤ、カパドキヤ、ポント、アジヤ、 フルギヤ、パンフリヤ、エジプト、それにリビヤのクレネ語が使われている地方などから来た人たちがいるし、ほかにも、ローマからの旅行者で、もともとのユダヤ人もいれば、ユダヤ教への改宗者もいる。 それに、クレテ人やアラビヤ人もいる。それがどうだ。それぞれの出身地のことばで、神のすばらしい奇跡の話を聞くとは……。」

人々はただ呆然として、「いったい、どうなっているのだ」と顔を見合わせました。 しかし中には、「何、彼らは酔っぱらっているだけさ」と、あざける者たちもいました。”

使徒の働き 2:1-13

この聖書の箇所を考えるとき、まず大事なのは聖書全体の「ストーリー」において、この出来事はどう位置づけられるのか、ということです。神様の大きなストーリーについてはまた別のブログでシェア出来たらと思っています。

ここでは、旧約聖書・創世記11章に記されているある出来事「バベルの塔」とこの使徒の働きの聖霊降臨の出来事を比べると、神と人類、そして神のつづるストーリーが見えてくるのです。

2015年、コキットラム・アライアンス教会での日曜礼拝の説教で、デビッド・ウッド師はペンテコステについて語りました。 意訳のキャプションをつけたビデオを掲載しますので参考にしてみて下さい。お時間のある方は全部見ることをお勧めします。以下の引用は25分あたりからです。なお、このビデオ使用は教会の許可をとって掲載させて頂きましたが、流用やビデオの不正利用は厳重にお断りいたしますのでご理解の上ご協力お願いします。

 

「変わったストーリーですよね。でも、聖書全体のストーリーに照らすと分かるんですよ。他国語で話したっていうのは、バベルの塔の逆戻しなんです。覚えてますか、 創世記11章では人々は混乱し、散り散りにされたんです。それが今、呼び戻されたんです。そして弟子達は他国語で語る力を与えられ、世界のどこで話されていることばでも、ペンテコステの日には、自分の名を馳せようとした国々が、あらゆる地に散らされていた国々がエルサレムに引き戻され集ったのです。今回は、自分達の名を馳せるのではなく、自分の国の言葉で、全てに勝る名前、すなわち、イエスキリストの名を耳にしたのです。」