今回はクリス・スローネス牧師のブログから「対立をとるか、波風立てずに惰性で進むか?」をご紹介します。(抄訳)スローネス師は教会のエグゼクティブ・パスターとして、オペレーション、牧師チームのリーダー、礼拝説教、若手の育成に務めています。主任牧師との二人三脚で、教会に与えられているビジョンをクリアにチームに提示し、チームが一丸となってキリストの使命に励めるようにする重要なポジションを司っています。彼の経験から、「対立」は避けて通るものではなく、あえて「対立」を起こすことが必要な状況があり、それは使命を推し進めるには必要不可欠である、と言うのです。
Originally published on October 19, 2017
Conflict or Coasting? 3 Situations where you need to initiate conflict
対立をとるか、波風たてずに惰性で進むか?
対立関係を起こす必要のある3つの状況とは
対立の現実
誰しも対立することには少々臆病になるものです。
勇敢な人で、逃げるより戦いを選ぶ性格を持っているとしても、完 全に正直なところでは、対立関係は喜ばしくない、と思うものです 。確かに、対立関係は(どんなに健全にまとまっているチームにお いても)起こるべくして起こるものですが、対立を心から好む人は いません。勇敢なリーダー達は対立はリーダーシップにつ きものだ、とわきまえていますが、彼らでも正直なところはそのことで 夜眠れなくなったり、誰か他の人が解決してくれれば、と 願うものです。
また、中には「対立」という言葉を聞いたとたんに、融けてくずれてしまう人もいるでしょう。彼らはそうや ってその場を立ち去るのです。調和がなにより大事だと思うからで す。ですから、そのような人たちは対立を内在化したり、最小化し たり、薄めてみたり、あるいは完全に避けるようになります。 こういうリーダー達が、さらに高いレベルでリーダーシップを発揮 し、チームに貢献出来るようになるためにはまず恐れから逃げ惑う のを遅かれ早かれ辞めねばならないでしょう。
ですから、あなたのリーダーシップが対立に耐えるのか、怯えるのかに関わらず、対立と言うものは気分の悪い、寝苦しい気持ちにさせる、人 に押し付けたい問題だと言えます。
リーダーシップの現実
良いリーダーは対立関係をしの ぐ能力だけではなく、必要に応じて対立を起こす勇気をも持っています。
What separates good leaders from great leaders is not just the ability to navigate conflict, but they actually initiate it. – Chris Throness
リーダーシップの鍵となる点は、仲間達をあるレベルから次のレ ベルへと導くことにあります。現在直面している現実にもがきなが らも、望まれる未来の形に向かって仲間達、又は組織を引き上げてい くことなのです。物事がどうあるべきなのかを見極めて、そこに仲間を上手に筋道よく導いていけるかどうかの能力です。しかも それは行き当たりばったりではなく、皆が快く思うやりかたでない といけません。
さらに言えば、そもそもチームワークと言う物ははリーダーが放っておくと進歩を目指して進む のではなく、安楽なほうに流れるものです。高い 地位に立つリーダーあれば、必ず物事を皆がわかるように明瞭にせねばなりませ ん。将来のことを最重要視し、チームをその将来に向けて賢く誘導 せねばなりません。 良いリーダーは、対立というものは必要悪的に耐え忍ぶの ではなく、対立を起こすことも必要だと理解します。
では、どういう時に対立が必要でしょうか?次の3つにあてはまる状況 の時に対立を起こす必要があると思います。
対立を起こすべき3つの状況
1.使命がエンストしてしまった時
エンストは楽しいものでは無いですね。道路脇に止まって、ボンネ ットを上げて、エンジンからは煙が立ち昇り、助けを待つはめには なりたくないものです。残念ながら、そんな状況にある教会もあり ます。
エンストするということは、計器盤の数値が横ばいで、チームの士気は萎えてきているということです。皆がやる気がなくなって、使命自体が適当に取ってつけたアイディアに思えるように なってしまいます。平たく言えば 、使命を忘れ、適当でいいや、と皆が考える状態なのです。
リーダーシップをニュートラルギアに入れるのは 容易いことです。事実、 そうするのが最も望ましく感じる事場合もあります。しかし、それを許さない様に気をつける必要があります。自分の決断に全てが掛かっていると言う事は受け入れがたいものですが、必要な時には状況に流されずに踏ん張って対立する事が大切です。
リーダー自身が受け身でいるとチームが前進するのを憚る事になってしまいます。 リーダーが足踏みして、戦線離脱し始めると、こうありたい、 という将来の形に向かって進もう、という志は立ちいきません。 チームに影響するばかりか、 教会の使命にすら究極的に影響がでます。 こんな時こそ対立を避けるのではなく、 あえて起こす必要があります。
あらゆる人材の層において、話しにくい話題の対話を持つ事を要される事が度々あります。 その対象になり得ない人物はひとりもいません。
心得るべきは、使命こそが大事だということです。
2.まだ先があると分かっている時
良いリーダーは、現在何が起きてるかを把握できているだけではなく、常にもっと先へ、もっと良い状況へと前進する事を目標とします。
Good leaders are only able to see what is happening now. Great leaders are always striving for more. – Chris Throness
こういった偉大なリーダー達は、 私の人生に影響を及ぼして来ています。 神様によって人生の中に送り込まれ、時にかなって、 励ましの言葉をくれましたし、同時にもっと高く目指せ、 と挑んで来たのです。 彼らは私には見えていないものが見えていたのです。それは、 イエスにもっと似せられていく私の姿であり、 もっと神の言葉に頼る私の姿であり、 使命にもっと真摯に取り組んでいる姿であり、 どうやって神様が自分を用いているかはっきりと把握できる自分の 姿だったのです。このようなリーダーがいなかったら、 今の私はなかったと思います。
結構単純なことです。対立がなければ変革は起きないのです。 人に対して、あなたが一緒に腰をすえて、 彼らがまだ見えていない神様からのビジョンを指し示すベき時が必要です。問題あり、 と思える点に踏み込んで、 彼らが見えていない盲点に光を当てる必要があります。 それはリーダーとして、兄弟子としての役割であるだけでなく、 共にキリストの交わりの中にあるものとして、 キリストのからだに与えられている命令と言えます。
3.自分のチームに解決していない対立があると分かっている時
教会で勤務するということは「キリストにある兄弟姉妹」 としてと同時に、同僚、上役、チームのリーダー、 直接の上司としての関係などを知恵をもって取り扱わなければいけません。 厄介なところもあります。 これらの肩書が人間関係を複雑に分かりにくくします。 状況は得てして白黒はっきりとはしません。共に神の家族でありながらも、言動を間違えばクビにる場合もある、 という緊張関係が心の中にあるからです。
それでもチームと言う物は対立を味わうものです。 傍から見ていると「 教会での勤務なら、イエスを愛する者同士だから誰ともぶつかり合いはない」と思えるかもしれません。 しかしそれは、この上なく大きな間違いなのです。 チームが大きくなるにつれ、 教会の働きがあなたのリーダーシップによって打ち出されていくと 、人から期待されすぎたり、チームが手を抜くようになったり、 過大な目標を約束してしまったり、 期待外れな結果を出したりするのです。 そしてお互いがお互いを失望させてしまう事もあり勝ちです。
良いリーダーは、このことをわきまえています。 こういう問題をチームから除去しようと、 あらゆる手を尽くすのです。 小さな対立は大きな亀裂には至らない、という嘘に騙されるのではなく、 こういう不健全なパターンはチームの中から 排斥されるべきなのです。 解決されていない対立は、 時間がたつにつれて、 チームの信頼関係の基盤をむしばんでいくからです。
では、どうしたらいいでしょう。少なくとも一年に一回、 チームに気持ちを打ち明けさせる、 気持ちを晴らす機会を与える必要があります。もちろん、 対立はそれぞれ、その場でお互いの間で解決してほしいと願いますが、 なかなかそうはいかないのものです。
主任牧師と私は、 このような機会をスタッフに与えます。 勿論気まずく、ぎこちない事です。でも、 私たちは対立があることは普通のことだということを模範にしたいのです。イエス様は赦される方で、 チームの一致と健全さが何より大事だからです。 時間をかければやがて、 これは自分達の間の毒々しい対立を根こそぎにする、 大事なメカニズムなんだ、 とチームの面々は理解するようになります。
こんなことが起きている、と気づいたなら、 未解決の対立というガンと戦うためのミーティングを開いてはいか がでしょうか。
行動をおこす時です
では、今日、 対立を起こす必要はどこにあるでしょうか?
使命はエンストしてませんか? 未解決の対立はチーム内にありませんか? 大事な対話を持たねばならない仲間は誰だか目をつけられますか?
今日こそ、行動に移す時です。 ミーティングをアレンジする事を勧めます。
あなたも、チームの仲間もやって良かったと思うでしょう。