初めて教会に通ったのは、(もう何十年も前ですが)アメリカでホームステイをしていた時でした。ホストファミリーは彼らが通う教会に誘ってくれたのです。何と最初の最初は水曜日の夜の祈祷会でした。それもアメリカ到着初日だったんです。「これからお世話になるんだ」と気合を入れてお供しました。集まった人たちに紹介されたり最初は良かったのですが、祈りの時間になるとどうしていいのか分からずドキドキだったのと、時差ボケで眠いのとで気苦労したのを覚えています。
その教会にはファミリーと一緒に、毎週日曜にせっせと通い始め、礼拝とサンデースクール(聖書の学び)に出ました。牧師の説教は「英語の練習!」とばかりにノートを取り、単語を学んだり、英語の聖書を手に入れて「お勉強」しました。
結局はその教会で救われて洗礼を受けることになるのですが、そこに至るまでにはいろいろあり、時間もかかったんです。
当初は、聖書は読んでも読んでも分からないことばかりでした。日本語の対訳がついている聖書ももらって読んだのですが、何か頭にすっきり入りませんでした。
しかし、人を観察したり、教会の仕組みが分かり始め、だんだんと「救われるプロセス」みたいなことが情報としては理解出来始めました。でも自分にかけ離れた、遠い世界のことのように思えていました。何か他人事だったと思います。
でも、次第に「上手に」教会で「クリスチャンのように」振舞うことが出来るくらいに「クリスチャンの行動様式」を身に着けることは出来ました。まるで役者がある役になりきるために情報を学んだ、という感じでしょうか。
「振り」をしている、という自分に気づき、それに幻滅したことが、本当の意味で信仰を探求するスタートになったのですが、それはまた別の機会にシェアしようと思います。
関連して想ったことは、最近スモールグループで学んだことです。「知性的な理解」は「信仰の確信」に直結しない、ということを学びました。
「頭」と「心」ということばで表現で示されることが多いですね。「頭じゃわかっているけれどどうしても信じられないんだ」、という言い方を聞いたことはありませんか?私もまさしくそうだったのです。知識が信仰に直結しないなら、一体どうしたら信仰を得ることが出来るのでしょうか?
ダニエル書にはこう書いてある箇所があります。バビロンに捕囚されているへブル人ダニエルは知恵にあふれていました。バビロン帝国広しと言えど、彼ほど知恵のあるものはいない、というくらいでした。 ある時、ネブカドネザル王の夢の解き明かしを王のお付きの賢者たちが一人として解けなかったため、王はそれなら全国の賢者を殺す、というお触れを出したのです。ダニエルも王の夢の解き明かしをするように命じられたのです。その際、ダニエルは神様に呼び求めたのです。
ダニエル2章19~23節
「そのとき、夜の幻のうちにこの秘密がダニエルに啓示されたので、ダニエルは天の神をほめたたえた。ダニエルはこう言った。『神の御名はとこしえからとこしえまでほむべきかな。知恵と力は神のもの。神は季節と時を変え、王を廃し、王を立て、知者には知恵を、理性のある者には知識を授けられる。神は、深くて測り知れないことも、隠されていることもあらわし、暗黒にあるものを知り、ご自身に光を宿す。私の先祖の神。私はあなたに感謝し、あなたを賛美します。あなたは私に知恵と力とを賜い、今、私たちがあなたに請いねがったことを私に知らせ、王のことを私たちに知らせてくださいました。』」
「この深くて測り知れないこと」をあらわしてくれるのは神なのです。
新約聖書でパウロは「この深くて計り知れないこと」についてこう書いているところがあります。
コロサイ書1章26~27節
「これは、多くの世代にわたって隠されていて、いま神の聖徒たちに現された奥義なのです。神は聖徒たちに、この奥義が異邦人の間にあってどのように栄光に富んだものであるかを、知らせたいと思われたのです。この奥義とは、あなたがたの中におられるキリスト、栄光の望みのことです。」
ここでパウロが言う「奥義」とはギリシャ語の「ムステリオン」。。。ミステリーの語源でしょう。。。つまり隠されたことです。パウロはこのムステリオンは今明らかにされた、というのです。キリストこそが信じるものにとって栄光の望みである、ということが示されたというんですね。
人知や見識ではたどり着くことが出来ない、「深く計り知れない」「ムステリオン」は神様から啓示を受けないと分かることが出来ません。だからそれを示してもらうように祈り求める必要があります。
神様がこの「ムステリオン」を望むものに示す時、「人は心に信じて義と認められ、口で告白して救われるのです。(ローマ書10章10節)」と書いてある通りです。
信仰について、”I can almost believe in Jesus” と言う人と話をしたことがあります。「なんとなく、ほとんど信じられそうなんだけど、なんかしっくりしない」というようなニュアンスでしょうか。そんな時は、「ムステリオン」を神様が明らかにしてくれるように願い求めましょう。聖霊が必ず働いて下さいますから。