「新約聖書イントロ」は当NiBS(日本語BibleStudy.com)のシリーズです。Eugene Peterson 先生のThe Messageに書かれている先生の聖書の各本のイントロを毎月最初に一つづつ紹介していきます。聖書を読んでみたい、でも一体この本に何が書いてあるの?と思ったことはありませんか?そんな問いかけへの答えに少しでもお役に立てれば幸いです。紹介する順番は実際の新約聖書の並び方とは異なります。日本語訳は筆者の拙訳です。英語のオリジナルはブログ下段に掲載させていただきました。


私たちはクリスチャンになってもすぐに人柄が良くなるというわけではありません。そんな風にいえば、人から驚かれてしまいますが、キリストに回心する、ということは信じた人が自動的に非の打ちどころのないマナーをもち、適切なモラルを持つように整えられる、ということではないからです。

その昔の世界では当時、コリントの人々は不躾で、大酒飲みで、性的に奔放な輩たちだ、という評判がありました。パウロが福音のメッセージを携えてコリントを訪れると、コリント人の多くがイエスを信じるようになったのです。当時の評判通りの自分達の生き様をそっくりそのまま教会に持ち込んで来たのです。

パウロは1年半の間コリントで彼らの牧師として仕えました。福音のメッセージを細かく紐解き、救われた、新しい人生をどうやって生きたらいいのか、信者のコミュニティーの中で聖く生きるにはどうしたら良いか、教え示したのです。その後、パウロは別の町や教会へと旅立って行ったのでした。

しばらく時の経ったのち、パウロのところにコリントにいる家族のひとりから知らせが届きました。パウロがコリントからいなくなってから、状況が概ね崩壊状態になっているということでした。派閥争いが始まり、モラルは修復できない状態になり、礼拝は超自然の体験をつかもうとする自己中心のものへと堕落してしまったのでした。それはあのコリント人たちならではの状態だったのです。

パウロのコリント人への最初の手紙は、そのような状況に対してまさしく牧師として応対した物です。愛情をこめて、毅然と、明瞭に、彼らの中にいる神様は、イエスキリストにおいて現され、聖霊において彼らと共におり、どんなに混乱をきたしてしまっていても、彼らの人生の中核にあるお方である、ということを揺るがない確信として伝えたのです。パウロはコリントのキリストにある兄弟姉妹を見捨てません。彼らの行動がひどいからと言って投げ出したりしません。彼らが無責任極まりない、と言って激しく非難をすることもありません。状況をふところ広く受け止めて、手を取りながら彼らに以前伝えてあったことを再び示すのです。神様の救いの愛の輝かしいことをこと細かく教え、それがお互いを愛し合うことにつながるよう導くのです。


When people become Christians, they don’t at the same moment become nice. This always comes as something of a surprise. Conversion to Christ and his ways doesn’t automatically furnish a person with impeccable manners and suitable morals.

The people of Corinth had a reputation in the ancient world as an unruly, hard-drinking, sexually promiscuous bunch of people. When Paul arrived with the Message and many of them became believers in Jesus, they brought their reputations with them right into the church.

Paul spent a year and a half with them as their pastor, going over the Message of the “good news” in detail, showing them how to live out this new life of salvation and holiness as a community of believers. Then he went on his way to other towns and churches.

Sometime later Paul received a report from one of the Corinthian families that in his absence things had more or less fallen apart. He also received a letter from Corinth asking for help. Factions had developed, morals were in disrepair, worship had degenerated into a selfish grabbing for the supernatural. It was the kind of thing that might have been expected from Corinthians!

Paul’s first letter to the Corinthians is a classic of pastoral response: affectionate, firm, clear, and unswerving in the conviction that God among them, revealed in Jesus and present in his Holy Spirit, continued to be the central issue in their lives, regardless of how much of a mess they had made of things. Paul doesn’t disown them as brother and sister Christians, doesn’t throw them out because of their bad behaviour, and doesn’t fly into a tirade over their irresponsible ways. He takes it all more or less in stride, but also takes them by the hand and goes over all the old ground again, directing them in how to work all the glorious details of God’s saving love into their love for one another.

Introduction to 1 Corinthians, The Message, Eugene Peterson