「新約聖書イントロ」は当NiBS(日本語BibleStudy.com)のシリーズです。Eugene Peterson 先生のThe Messageに書かれている先生の聖書の各本のイントロを毎月最初に一つづつ紹介していきます。聖書を読んでみたい、でも一体この本に何が書いてあるの?と思ったことはありませんか?そんな問いかけへの答えに少しでもお役に立てれば幸いです。紹介する順番は実際の新約聖書の並び方とは異なります。日本語訳は筆者の拙訳です。英語のオリジナルはブログ下段に掲載させていただきました。
イエスの物語はとてつもなく印象深いストーリーです。それは神が私たちと共にいる、神が私たちの分かるような言葉で語っている、私たちを癒し、助け、救い出す行動を取られる、というストーリーです。あまりに印象深いので、ついつい感銘を受けて、ただそれで終わってしまう恐れがあるのです。
このストーリーの壮大な様相がゆっくりと、またあるときは唐突に紐解かれていくにつけ、私たちは熱狂的な観客になってしまいがちです。その状態のままで良くなってしまいます。イエスを褒め称え、「わー」とか「あー」とか声援を送るのです。時には感銘を受けてイエスの見本に習おうかと考えたりするような時もあるでしょう。
ルカはそうならないように、つまり私たちがイエスの単なる観客に、そして彼の語るメッセージの単なるファンになってしまわないように尽力しています。福音書を書いた4人の中で、ルカだけが次世代の使徒や弟子たちのはたらきのストーリーを書き記し続けました。目を見張るのは、福音書から繋がってきているストーリーは基本的に同じだということです。ルカは、福音書と使徒のはたらきとの合間にほんの少し休みを入れたかのようです。まるでインクの筆をインク瓶に浸したような、それくらいの合間をとって、続けて同じスタイルで、同じ言葉使いで書き進めて行ったのです。
イエスのストーリーはイエスでおしまい、とはなりません。イエスを信じるものたちの人生の中に続いて行くのです。超自然の出来事はイエスでおしまいになったのではありません。ルカがはっきり示しているのは、イエスが神様の観客ではなかったように、彼の書き記したクリスチャン達もイエスの観客ではなかったことです。彼らは神の行動の中にあり、神が彼らの内に働かれておられ、神が共におられたのです。そして、それはとりもなおさず私たちも同じなのです。
Because the story of Jesus is so impressive – God among us! God speaking a language we can understand! God acting in ways that heal and help and save us! – there is a danger that we will be impressed, but only be impressed.
As the spectacular dimensions of this story slowly (or suddenly) dawn upon us, we could easily become enthusiastic spectators, and then let it go at that – become admirers of Jesus, generous with our oohs and ahs, and in our better moments inspired to imitate him.
It is Luke’s task to prevent that, to prevent us from becoming mere spectators to Jesus, fans of the Message. Of the original quartet of writers on Jesus, Luke alone continues to tell the story as the apostles and disciples live it into the next generation. The remarkable thing is that it continues to be essentially the same story. Luke continues his narration with hardly a break, a pause perhaps to dip his pen in the inkwell, writing in the same style, using the same vocabulary.
The story of Jesus doesn’t end with Jesus. It continues in the lives of those who believe in him. The supernatural does not stop with Jesus. Luke makes it clear that these Christians he wrote about were no more spectators of Jesus than Jesus was a spectator of God – they are in on the action of God, God acting in them, God living in them. Which also means, of course, in us.
Introduction to the Book of Acts, The Message, Eugene Peterson