心配すると心が散り散りになってしまいます。昔、テレビのコマーシャルで「忙しい」という漢字は心(りっしん偏)を亡くす、という言葉から出来ている、なんて言ってました。確かに心が散り散りになり、バタバタとあくせくするときの心は心配と不安でいっぱいです。

散り散りになった心を統一するところに安寧と平安があります。動きが軽やかになります。その昔、コンピューターがまだ色々自分で設定したり出来た頃の話ですが、動きが悪いウインドゥズを「デフラグ」した?なんていう会話もよくありました。デフラグとは散り散りになったファイルをクリーンアップしたり統合したりするプログラムのことでした。私たちの心もデフラグが必要です。

Tim Keller の説教、「Peace: Overcoming Anxiety (平安:不安を克服すること)」で、ルカ10章のイエスと弟子たちがマルタとマリヤ姉妹の家を訪れるシーンがあります。気持ちが散り散りになっているマルタと、イエスに集中しているマリアの様子をこう解説しています。(英文はオンラインでのメッセージを筆者が書き起こしたのもで、和訳は筆者の拙訳です。)

ルカ10章に出てくる「不安」のギリシャ語はメリムナスといいます。この単語は、「割かれた、気もそぞろになって、数多くの目標を掲げようとしている心持ち」を意味します。… イエスはここでこんな風に語っていると思います。「マルタ、マルタ。あなたは心配をし、多くのことで(メリムナス)心を乱しています。マリアは一つだけ大事なものを見出したのです。マリアは一途なんです。一つのことだけを目に留めています。あなたは300もの事柄に心を割いています。私はそのうちの一つです。マルタ、ありがとう。300のうちの一つにしてくれていて。でも憤慨しているわけではないのです。でももし私を唯一のものにしてくれるまではいつまでも心は落ち着きません。なぜなら、不安の反対は心が一途であることなんです。平安の反対は平安です。偽物の平安は無関心であり、皮肉っぽくなることです。そしてそんな偽物の平安は心優しい愛や喜びとは共に存在できないのですから。」

The Greek word for worry is, Merimna (anxious) Luke 10. It means, “a mind divided, distracted, and trying to get too many goals.” …. He (Jesus) says, “Martha, Martha, you were anxious and troubled about many things (“Meimnas”). Mary has found the one thing needful. Mary is single-minded. Mary has got one thing she’s looking at. You’ve got 300 things. I’m one of them. That’s nice, Martha. I’m glad I’m one of the 300 things you’re thinking about. But I’m not offended (but) you are in trouble until I’m the one thing, because the opposite of anxiety is single-mindedness and the opposite of peace is a worry and the counterfeit of peace is apathy and cynicism and that counterfeit peace cannot coexist with the tenderness of love and joy.”

では何に集中すべきでしょうか? Tim Keller は、それは神様の恵みによる救いの確信です。Tim Kellerは、平安があるのは「Confidence in God’s control in your life あなたの人生は神様がしっかりと握られている、という信頼」があるからだといいます。それに一途にしがみついて、その一つだけに心を留めるのです。

イエスは、こう言って、常にわたしたちを恵みのうちに招いてくださいます。(マタイ11章)

「すべて、疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところに来なさい。わたしがあなたがたを休ませてあげます。わたしは心優しく、へりくだっているから、あなたがたもわたしのくびきを負って、わたしから学びなさい。そうすればたましいに安らぎが来ます。わたしのくびきは負いやすく、わたしの荷は軽いからです。」