アイルランドでは、3月17日は聖パトリックの祝日として様々な行事が行われるお祭りの日です。聖パトリックは、4世紀〜5世紀にかけてアイルランドにキリスト教を布教した、カトリック教会で聖人とされています。クリスマス同様、セントパトリックデーは世俗化しており、私の住むカナダでは、アイルランドの緑の三つ葉を記念して、緑の服を着たり、緑色のラガービールを飲んだりしてお祝いする日という程度になっているように思います。

この聖パトリックには様々な逸話があるそうですが、賛美歌を作ったことでも有名です。中でも、聖パトリックの胸当て、という題名の賛美歌は良く知られています。原典は古代アイルランド語で書かれており現代英語訳や様々な調べに合わせて歌い継がれて来ています。かなり長い歌詞で、最初から最後までは紹介しきれませんが、1969年にゲーリック(アイルランド地方)民謡の調べに合わせて編曲された、ジェームス・クインによる“Christ Be Beside Me”は比較的良く知られています。「ブネッサン」と呼ばれるゲール語民謡の調べは他の賛美歌にも用いられています。アイリッシュ独特の調べは心に残ります。有名なところでは、キャット・スチーブンスが歌って有名になった “Morning Has Broken” 「雨にぬれた朝」で、日本語では賛美歌444番「よの初めさながらに」で使われています。

Andrea Thomas のYoutubeバージョンを以下に紹介します。歌詞と私の抄訳を掲載しましたので参考になさって下さい。このレントの時期にあって、どうかイエス様があなたと近くにおられることを益々実感できますように!

Andrea Thomas – Christ Be Beside Me

Christ be beside me, Christ be before me,
Christ be behind me, King of my heart.
Christ be within me, Christ be below me,
Christ be above me, never to part.

キリストよ、我がそばに、前に、後ろに、
心の王として共におり給え
キリストよ、我がうちに、下に、上に、
決して離れず共におり給え

Christ on my right hand, Christ on my left hand,
Christ all around me, shield in the strife.
Christ in my sleeping, Christ in my sitting,
Christ in my rising, light of my heart.

キリストよ、我が右手に、左手に、
苦しみから守る盾として我をとり囲み、
眠る時も、座る時も、立つ時も心を照らし給え

Christ be in all hearts thinking about me,
Christ be on all tongues telling of me.
Christ be the vision in eyes that see me,
In ears that hear me Christ ever be.

キリストよ、
我を思う全ての人の心の中にありて、
我を語る全ての人の舌の上にありて
我を見る全ての人の目のうちにありて
我に聴く全ての人の耳の中に、
主が変わらずおり給え