「安息日」という言葉は普段耳にすることがありません。この言葉は次の創世記2章の記述が起源となっています。
「こうして、天と地とそのすべての万象が完成された。神は第七日目に、なさっていたわざの完成を告げられた。すなわち第七日目に、なさっていたすべてのわざを休まれた。神は第七日目を祝福し、この日を聖であるとされた。それは、その日に、神がなさっていたすべての創造のわざを休まれたからである。」
創世記 2:1-3
そして、モーセに神は十戒を与え、その一つが安息日のおきてでした。
「安息日を覚えて、これを聖なる日とせよ。六日間、働いて、あなたのすべての仕事をしなければならない。しかし七日目は、あなたの神、主の安息日である。あなたはどんな仕事もしてはならない。—あなたも、あなたの息子、娘、それにあなたの男奴隷や女奴隷、家畜、また、あなたの町囲みの中にいる在留異国人も—それは主が六日のうちに、天と地と海、またそれらの中にいるすべてのものを造り、七日目に休まれたからである。それゆえ、主は安息日を祝福し、これを聖なるものと宣言された。」
出エジプト記 20:8-11
十戒については様々な意見があるでしょう。戒め、というからには「しろ」「するな」という命令ですから、それだけを考えると古めかしく、個人の自由を妨げる、達成するのが難しい・不可能な厄介なもの、と思えるでしょうか?
CAチャーチでは十戒からの説教シリーズがありました。ここでは全てを紹介しませんが、十戒を読むにあたって、必ず覚えておくべきことがあり、それをまず紹介します。それは、バンクーバーで牧会・宣教なさっている Darrell Johnson 先生の言葉です。先生は、こう十戒を紹介しています。
“Ten Commandments, a great act of grace? Yes! God gives us the “Ten Words” to protect and enhance the life of freedom and flourishing. You know what’s even better news? The Ten Commandments turn out to be Ten Promises!” (十戒は偉大なる恵のみわざでしょうか? その通りです! 神は私たちに「十の言葉」を与えてくれるのです。その言葉は私たちの自由で豊かな人生を守り、深めてくれるのです。もっと良い知らせがありますよ。十戒は実は十の神の約束なのです。)
Introduction to Ten Commendments, from www.darrelljohnson.ca/
なぜこんなことが言えるのでしょうか?十戒のイントロダクションとも言える、出エジプト記20章の最初の言葉でそれがわかるのです。
「わたしは、あなたをエジプトの国、奴隷の家から連れ出した、あなたの神、主である。」
出エジプト記 20:2
神は民を奴隷の家から解放したのです。それが続いて書き留められた十戒の基盤にあります。ですから、人間の豊かな人生を深め、守ってくれるおきてだと言えるのです。そして、安息日を守れ、という命令もまさしくこの範疇に入ります。
福音書を読むと、イエスが安息日にとった行動が、宗教家・パリサイ人達には十戒破り、と映ったでしょうが、イエスからしたら、天の父の真意、つまり、罪とその結果に縛られているものたちを解放する、いのちを守り、いのちをより繁栄に導く行動だったのです。(マタイ 12, マルコ 2, ルカ 6 & 13, ヨハネ 5 & 9)
そして、安息日について、この休息は、神が「個人の」休息もさることながら、コミュニティーにおける休息に導いてくれるおきてであると、旧約聖書に精通している Lois Tverberg は説明しています。
「六日間は自分の仕事をし、七日目は休まなければならない。あなたの牛やろばが休み、あなたの女奴隷の子や在留異国人に息をつかせるためである。」
出エジプト記 23:12
安息を命じられた者が休息するとき、なんとその人の牛やろばが休めるのです。奴隷の子や在留異国人がリフレッシュ出来るというのです。自由や権利を主張することが出来ない者達が息をつくことが出来るのです。
Tverberg はこう語ります。
”Of course God wants each one of us, individually, to experience a rhythm of weekly rest and worship. But according to this verse, refreshment of Sabbath was intended for the ones who could not rest without the permission of others. If you understand this command in its original setting, you realize that the goal of Sabbath was not religiosity, but restoration. God wanted all of his creation to be allowed a chance to relax and breathe and return to its original Eden-like state, just as when God rested after he created the world (Gen. 2:2-3).” (もちろん神は私たち一人一人が個人的に毎週の休息と礼拝のリズムを体験できるように望んでおられます。しかし、前掲の聖書の箇所から分かるのは、安息日による休憩は人から許可をもらえないと休めない者たちに与えられていることです。元々の背景から安息のおきてを理解するならば、安息日をとる目的が宗教上のことではなく、回復のためのものだとわかるでしょう。神は全ての造られしものにホッと一息つける機会をもたらし、神がこの全天地を創造された時に与えられていた、エデンの園で体験していたような安息へ回帰できるように願っているのですから。」
https://ourrabbijesus.com/articles/a-surprising-insight-on-the-sabbath-commandment/