以前にこのウエブでも「安息」について触れてきました。興味のある方は、リンクを参考にしてみてください。
これらの投稿では、「安息」とは何か、何をする時なのか、と言うことに主にポイントを置いていると思いますが、今回は、どうして、あるいは何のために「安息」「休息」するのか、と言うことに焦点を当ててみたいと思います。
体や心が疲れたら休息が必要ですね。その点は誰でも同じだと思います。私の仕事場は教会ですが、スタッフ達が一番気をつけないと、と口を揃えて言うのは、バーンアウトつまり燃え尽きないように、と言うことです。
どんな仕事でも人間関係や、トラブル、また緊張感のあることに長く携わるとどうしてもストレスがたまり、それが原因で燃え尽き症候群になったりするでしょう。あるいは、高い目標を掲げ、元気に突き進んでいても、全力疾走を続けていればやはり燃え尽き症候群になったりするでしょう。
そこで、私たちは「もっと適切に頑張れるように、もっと元気に働けるように私たちは休息をとったらいい」と考えがちではないでしょうか。テクノロジーのおかげで、今では休息を「タスク」や「イベント」としてスケジュール表やオンラインのスケジューラーに「予約」出来るのです。これで安心。たくさん働くためにしっかりと休息もみっちりと予定表に組み込むのです。これでバランスが良く取れてる、なんて言う風に生活を送っていないでしょうか?
でも、それが適切な考え方では無いんじゃないか、と想わされたのです。あるミーティングでDavid Wood牧師がこう言うような事を皆に言ったのです。
「「(聖書の語る)安息」は決して何かの目的のための手段になってはならない。例えば、「もっとたくさん、頑張って働けるように、僕は効果的に休息をとるようにしているんだ。」などと言うように。そうではなくて、私たちは休息を取るように招かれているんです。」
“Rest should never be “means” to an end, like I want to work harder and better, so I am strategically taking rest. Rather, we must realize we are invited to rest.”
Pastor David Wood
つまり、同じ安息を取るにしても、主眼があくまで頑張ってもっと働く、と言うところにあるのでは、本末転倒になるのです。神様が供えてくれている安息日、休息の時を喜び、そこに招き入れられるのです。
“Leading on Empty (ガス欠のリーダー)” や”Dead Leader Running (死に体のリーダー)” (和訳は私の拙訳)で知られるWayne Cordeiro 牧師は、次のようにLeading on Emptyで語ります。
「安息、と言うのは後からの思いつきではありません。まず最初にあるべき私たちが果たすべき責任なんです。生活にリズムをもたらし、人生をしっかりと勧めるような足並みを与えてくれます。リーダーシップはこの安息の中から発揮されるべきです。私たちが神様から与えられるなすべき事に心を向けられるのはその安息の中だからです。」
“Rest is not an afterthought; it has to be a primary responsibility. It brings a rhythm back to life and a cadence that makes life sustainable. Lead out of a place of rest and you will be able to put your heart into everything God asks of you.”
Leading On Empty, Chapter 3, Wayne Cordeiro
ユダヤ教では安息日は日の入りからと教えられています。これには賢さがあると私は思います。なぜなら、創世記で神様が天地創造をされた時、聖書は、「夕があり、朝があった。第一日。。。。」と語ります。つまり、一日のリズムは私達が体を休める夜から始まると言うのです。コーヒー飲んで今日も元気に頑張ろう、と言うのとはズレがあるようです。
以前にも投稿で触れましたが、安息日は単なる休憩では無く、全てを創りたもう神様がみ座につかれて君臨されておられる、と認め、礼拝する日です。それをスキップして、「まずは自力で頑張るんでよろしく。疲れたら休むんでその時はよろしくね。」のは安息ではありません。この考え方は、神様を自分の目的の手段にすり替えており、都合のいい時に、都合のいい方法で助けてね、と言う誤った考え方です。
David師の言葉は、自分の信仰の歩みのバロメーターとして使える言葉であると思います。適性な安息・休息を喜び受け入れるのか、それともまずタスク管理を行い、それをもっと多く、もっと上手にこなすためにしょうがなく休むのか、同じ仕事・働きをするのであっても、休息を取るのであっても天と地ほどの差があるのだ、と気付かされたのでした。