ヨハネ第一の手紙 1:1-4
1 初めからあったもの、私たちが聞いたもの、目で見たもの、じっと見、また手でさわったもの、すなわち、いのちのことばについて、2 —このいのちが現れ、私たちはそれを見たので、そのあかしをし、あなたがたにこの永遠のいのちを伝えます。すなわち、御父とともにあって、私たちに現された永遠のいのちです。—3 私たちの見たこと、聞いたことを、あなたがたにも伝えるのは、あなたがたも私たちと交わりを持つようになるためです。私たちの交わりとは、御父および御子イエス・キリストとの交わりです。4 私たちがこれらのことを書き送るのは、私たちの喜びが全きものとなるためです。
第一ヨハネの特徴
ヨハネは聖書に五つの本を残しています。福音書、すなわちイエスの生涯と彼自身のイエスとの関わりについて書いた本です。黙示録、これは来る世のことについて、そして再来する王、すなわち王なるイエスについて書いた本です。第一・第二・第三ヨハネはその二つの時代の間に生きる信者と教会について書かれた本です。クリスチャンがどう生きるべきかを書き送ってくれたのです。重要な本であると言えます。
ヨハネが当時の教会に書いた三つのポイント
教理的なポイント:教会に安寧と怠惰が広がり、そのスキをついて偽りの教えが広まっていました。「イエス・キリスト」についての教え、理解が捻じ曲げられていたのです。その偽りを指摘し、ヨハネは「自分が目撃し、共に過ごした」そのイエスについて語っているんです、と呼びかけます。
倫理的なポイント: 教会に広まる偽善の問題をヨハネは指摘します。神を愛すると言いながら兄弟を憎む行動を取っていることを指摘します。神の愛に立ち返るよう語るのです。
牧会的なポイント: イエスにおいては、言葉にかえがたい信仰者同士の、そして神との交わりを体験することが出来ると説きます。キリストが、キリストを通して与えてくれる深い深い喜びに立ち返るように教会に呼びかけているのです。
現代への適用
現代も信仰の歩みが個人も教会も安寧と怠惰によって自己満足にひたり、偽りの教えが入り込むスキが存在するでしょう。イエス・キリストに関する教えに偽りが入り込んではならないのです。聖書の教えというイカリから外れて流される船のようになってはいけないのです。
グノーシス主義が入り込んでいた教会に対してヨハネは警告しているように、今日も注意を払うべきです。「霊」と「肉体」を切り離して考えることによって、クリスチャンも二つの落とし穴に落ちる危険があります。霊さえよければ体はどうなっても良い、という無視したり虐げたりする落とし穴と、体による罪は霊に影響しないと考え自由奔放な自堕落な生活をしても良い、とする落とし穴に落ちてはいけません。
第一ヨハネから学ぶには
読み浸ることが一番です。読みながらヨハネがあなたに語る言葉に心を留めて、祈りの中に、思いをめぐらすことをおすすめします。