メリークリスマス!

In the Bleak Midwinter は1872年にクリスティーナ・ロゼッティ 作詞、クラッシック作曲家のグスタフ・ホルストの旋律が付けられたものです。今日ご紹介するのは、Jars of Clayというクリスチャングループの2007年発売のクリスマスソングス、というアルバムからのものです。

このJars of Clay というバンドですが、は1990年代に組まれたクリスチャンのグループで、数々のヒット曲があります。”Love song for a Savior” “Dead man – Carry me” “Flood” “Work” などなど、皆さんも聞いたことのある曲があると思います。意味深い詩とロック調のビートで根強い人気を持っています。(私もその一人ですが)私のお勧めは、2006年発売のGood Monsterというアルバムです。

イエスの生誕はルカの福音書に書かれている人口調査、羊飼いの行動などからおそらく春先だったのではないかと言われています。現在クリスマスを12月にお祝いしているので、このキャロルのようにクリスマスの曲は冬をテーマにしたものが多いですね。ただ、当時の状況を考えると、イエスの現れた世界は冬のさなかの、寒々とした、荒廃した、明るさのない闇のような状態だったでしょう。聖書はイエスが暗闇に輝く世の光だと宣言しています。

詩というのは想像力を使って味わえるのが素晴らしいと思います。この短い3節の歌詞がホルストの切なく情緒あふれる旋律で聞くと、そこにドラマを思い浮かべます。自分の周りはなんと殺風景で、心が重く潰れそうになっている主人公は、自分にはあれもない、これもない、あれがあったなら、これがあったなら、と悩むのです。しかし、イエスに自分を捧げよう、と決めるのです。しかし、この決心によって、目が開かれます。そこに広がる光景は天の御使いの賛美の声が響き、これまでに見たことのない明るい輝きの星がイエスを指し示すのです。殺風景で、重苦しい身の回りの世界は相変わらずそのままですが、そこには何にも変えがたい平安が、イエスの生誕によってもたらされたのです。

いろいろな意味で現在は寒々しい冬のただなかにいます。しかし、イエスが生誕し、十字架の救いのわざ、復活、聖霊の降臨により、私たちには平安が約束され、今私たちに与えられています。

ロゼッティのオリジナルでは5節の中の3節を Jars of Clay は演奏しています。歌詞と拙訳を掲載します。

In the bleak midwinter, frosty wind made moan,
Earth stood hard as iron, water like a stone,
Snow had fallen – snow on snow, snow on snow, on snow,
In the bleak midwinter, long ago.
寒々しい冬のさなか、凍てつく風もうめきをあげていた
大地は鉄でできているかのように固まり、水も石のように凍ってしまっている
雪が、雪のまた雪の、雪の上に降り積もっていた
昔々の寒々しい冬のさなかのことだった

What can I give him, poor as I am?
If I were a shepherd, I would bring a lamb,
If I were a wise man, I would do my part,
What I can I give him – give my heart.
こんなに貧しい私が一体何を彼(イエス)に捧げられるだろう
羊飼いだったなら小羊を持ってくるのに
賢者だったらそれなりに振る舞えるのに
私に出来ることは私の心を捧げること

Angels wreathed in singing, host of Heaven adore,
Star beheld with glory that did not shine before,
Shepherds fear the blinding light, haste to understand,
In the bleak midwinter, peace for child, for man.
御使いたちが歌を身にまとい、天の軍勢は誉めたたえる
これまで見たことのないような輝きで星がまたたいた
寒々とした冬のさなか、御子に、人々に平安があった